ロリポップ・アンド・バレット

アニメ・映画・特撮・読書の感想や考察を書いたり書かなかったりする

会計知識ゼロから簿記2級(ネット試験)を完走した感想 学習ルート等

案外需要がありそうな気がしたので、日商簿記検定2級(ネット試験)の合格に至るまでのプロセスを残しておこうと思いました。

先ずご留意頂きたいのは、こちらの内容は2021年度(2021年4月〜2022年3月)に受験した時点での内容です。従いまして、2022年度に適用される改定後の試験内容(収益認識基準等)は反映されておりませんので、予めご了承のほど宜しくお願いいたします。

 

ただ、参考書のルートなど基本的な進め方は変わりませんので、あくまで自身の勉強計画を立てるに当たっての指標にしていただければと思います。

私の場合は以下のように学習(約5ヵ月)を進めましたので、それぞれ解説しようと思います。

1.簿記3級の内容インプット(2週間)

2.簿記2級のテキスト(商業簿記・工業簿記 各1ヵ月)

3.商業簿記・工業簿記 問題演習(各1ヵ月)

4.模試の演習・復習(2週間)

 

1.簿記3級の内容インプット(2週間)

私は簿記3級は受けずに2級から受験しましたが、会計知識ゼロからのスタートだったため、学習そのものは簿記3級の内容からスタートしました。

使用した参考書は下記の『スッキリわかる』シリーズのテキストのみを使用しました。

f:id:Skarugo0094:20220424214200j:image

上述の通り簿記3級の受験は考えておらず、2級への導入として学習する目的でしたので問題集などの演習系参考書は使用せず、専らテキストのインプットと章末の確認問題のみ行いました。

 

2.簿記2級のテキスト(商業簿記・工業簿記 各1ヵ月)

簿記3級の学習が一通り終わった段階で(「終わった」の基準ですが、テキストの基本的な仕訳が分かり、精算表・財務諸表は完答はできなくても、どこに何を書くのかが理解できるレベル。模擬試験で合格点を狙う必要は無いかなと思います。)、

いよいよ簿記2級のテキストに進みますが、ここで使用した参考書(+問題集)は下記の『パブロフ流』シリーズです。

f:id:Skarugo0094:20220424214212j:image

こちらのテキストは覚えながら「自分の手で仕訳が書けるようになる・問題が解けるようになる」というコンセプトで、学習する内容の次の項目が確認問題、というページの構成により、覚えた事をすぐに確認して記憶の定着ができる優れものです。

 

商業簿記と工業簿記どっちから始めるべきか」については、好みの問題もあるかと思いますが個人的な考えとして。「3級で学習した内容から接続しやすい」商業簿記から学習を始めました。また、難易度も少々高く配点も60点と大きいため、商業簿記から先に理解を進めておいた方が精神的に楽な気もしたので、、、

工業簿記は商業簿記と比較して分量は少ないものの、内容が独特なので「3級の次にやる内容」としては少々とっつきにくく、完全に「別物」という印象だったので、後からの勉強でも学習への支障は無いかと思います。

 

こちらのテキストですが、それぞれの論点について確認問題がある程度(9割くらい)できるようになった段階で、同じシリーズの問題集に進みました。

財務諸表(BSPL・株主資本等変動計算書)・連結会計(連結精算表・財務諸表)、標準原価計算など覚えることが多い、かつ頻出の分野は重点的に解き直し・付録の動画解説を見ていました。

連結会計では特に覚えるべき仕訳の数が7つほどあり、また「タイムテーブル」を使った解き方を必ずマスターしておく必要があります。こちらも動画解説で詳しく説明されており、必見です。

 

また、簿記3級・簿記2級にも共通する学習方法として、公認会計士の簿記系Youtuber・ふくしままさゆき氏の動画解説を見るのもおすすめです。

www.youtube.com

各論点で、テキストではサラッと流されるような細かい部分まで、理屈の部分から非常にわかりやすく解説している動画をアップされており、どうしてもテキストだけでは理解できない・覚えられない部分を補完するのに最適です。

個人的に上述のアウトプット重視の『パブロフ流』シリーズとの補完に優れている教材だと感じました。

上記に加えて、TAC出版『究極の仕訳集』を知識の確認用に使いました。

f:id:Skarugo0094:20220424215539j:image

こちらは「紙ベースで携帯可能なサイズ」という他の包括的な問題集にはない位置づけの参考書で、隙間時間や知識の穴埋めに最適でした。ただ問題集としては若干物足りなさがあるので、下記のように別途網羅的な参考書と補完する形で使うのが望ましいです。

 

3.商業簿記・工業簿記 問題演習(各1ヵ月)

f:id:Skarugo0094:20220424214232j:image

テキストが一通り終わった段階で、同じく『パブロフ』シリーズの『総仕上げ問題集』を進めました。

ここまで来ると、基本的にあとはひたすら何度も解いて復習するだけですが、いかんせん商業簿記(大問2・大問3)は大問を一つ解くのに20〜30分ほどかかり、復習にも時間を要するため、大問2・3の対策は土日をメインで問題を解くようにし、逆に平日は解くのに時間のかからない大問1の仕訳問題と工業簿記対策メインで行いました。

 

こちらの『総仕上げ問題集』ですが、特に商業簿記は問題の難易度・分量ともに標準〜少々高めに設定されていると感じましたので、1周目はかなり苦戦すると思います。

1周目はインプットと割り切って解説を読み込み、問題のパターン(問題文の問われ方も含めて)を覚えてしまうのが手っ取り早いと感じます。

 

特に重点的に対策を行ったのが商業簿記の大問1とBSPL・連結会計です。

大問1の仕訳問題は得点源かつ、他の大問の基礎になる部分ですので毎日解いて苦手な問題をなくすようにしました(模試では常に16点/20点以上でした。模試では、、、)。

 

また、連結会計はかつてペーパー試験では難問が多かったことから「捨て問」と見る人も多いですが、(連結会計に限らず)ネット試験に関しては全体的に基礎的な問題が出題されますので、必ず解けるようにしておきましょう。

覚える事は多いですが、出題頻度も多くやる事が決まりきっている論点なので、十分に得点源になります。連結で点数を稼ぐ事ができたから合格できたと言っても過言ではないです。

 

4.模試の演習・復習(2週間)

上記パブロフの『総仕上げ問題集』の練習問題を一通り終えた段階で、購入者特典の模擬試験(ネット)を解きます。

 

こちらは商業簿記・工業簿記問題集にそれぞれ2回分付属していますので計4回分、ネットの模擬試験を受けることが可能です。操作(解答)方法もネット試験に準拠しており、難易度・形式共に再現性が高いです。

(模擬試験では毎回おおよそ8割弱の点数でしたが、本番でも79点だった事を鑑みると、その再現性の高さが理解できるかと思います。)

 

解く順番は大問1→4→5→2→3というテンプレです。

こちらの模試は解いたその日のうちに復習を行い、怪しい分野については適宜問題集に戻って解き直しを何度か行いました。しかし本番までの時間もなかったため、4回全ての模試を復習していたわけではありませんが、、、

f:id:Skarugo0094:20220424214308j:image

全体を振り返ってみれば、会計知識ゼロから5ヵ月で簿記2級というのは可もなく不可もなく、といったところでしょうか。(早い人は2〜3ヵ月とか)。

上で触れたように、ネット試験は統一試験(ペーパー)よりも基本的な問題が多く、合格率も比較的高い(4割前後)ため、十分攻略可能と思います。ただ、覚えるべき量が多い事には変わりませんが、、、

 

今回は以上です。