シゲの鑑賞日記(仮)

主に趣味(アニメ、仮面ライダー、ポケモンなど)を自由気ままに語りますヾ(๑╹◡╹)ノ" 特に、アニメの感想などをつらつらと書いていくつもりです^ ^

『H2O』というエクストリーム村八分アニメを見た

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『H2O』とりあえずDアニメの方で4話まで視聴したのだけれど、色んな意味で「ヤバイ」作品だ。本当は全話視聴後に記事を書きたかったのだが少し衝撃が強すぎたためこの”熱”を昇華しようと思い、まだ途中までしか見てないのに書いてしまった。

 

ギャルゲ原作アニメの数が年々減ってきている気がしなくもない。ひと昔前まではkey作品をを筆頭にし、『ef』シリーズや『ダ・カーポ』など充実したラインナップだった。一応、『fate』や『科学アドベンチャーシリーズ』などもギャルゲの範疇になるらしいが、物語的にそれがメインという訳でもないので正統派ギャルゲ原作アニメかと言われるとNOだろう。

 

今回紹介するアニメは2008年放送のギャルゲ原作アニメ『H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-』(長いので以下『H2O』)だ。

あらすじは田舎に引っ越してきた少年が、生々しい部落差別問題に足を踏み入れて現実を目の当たりにする、というギャルゲとは思えないほどのハードなストーリーとなっている。ストーリー的には目が見えないはずの主人公が一話ラストに不思議パワーで目が見えるようになったり、謎ハーレム展開であったりと「ご都合主義」が垣間見えて出来自体は決して良いとは言えないのだが、「村八分」を徹底して(それもリアルに)描いている点がなんともまぁ挑戦的で違ったベクトルの面白さを内包している。

作品を一言に「面白い」と言っても、その意味は実に多用である。単純にストーリーの綿密さや伏線回収の見事さを「面白い!」と感じる者もいれば、頭を空っぽにして笑える作風を「面白い!」と定義する人もいるだろう。『H2O』はそのどちらでもない特殊な「面白さ」を持っている。というのも、上で書いたとおりストーリーはかなり唐突に進むし、丁寧な説明がなされている訳でもない。なのに何故か面白いと感じてしまう。

 

そう、『H2O』の最大の魅力は「部落差別」そのものをテーマにした大胆さ、そしてその”リアルさ”にあるのだ。もう少し踏み込んだ言い方をすれば「社会風刺」とも言えるか?リアルの社会と結びついた作品は往々にして「面白い」ものだ。例えば『ウルトラセブン』の有名なエピソード「ノンマルトの使者」「ダークゾーン」では、単純な勧善懲悪では片付けられない「個々の正義観」について考えさせられるストーリーとなっている。地球人は当たり前のように宇宙人を排斥して自分のいい様に資源を得ているが、宇宙人から見れば地球人は侵略者でしかない。「視点を変えれば自分たちも"悪"になり得る」というメッセージを視聴者に投げかける。

昨年の大ヒット映画『シン・ゴジラ』でも「震災」を連想させる実にシニカルな作品だ。ゴジラの大胆すぎる登場から、凍結させるまでの日本政府の対応が非常に目まぐるしく、最終的にはメンバー一丸となって「未知の災害」を乗り越えていく様はまさに「これからの日本のあるべき姿」を暗示しているような、メッセージ性の色濃い作品だ。

 

やや話が逸れたが何が言いたいかというと”リアル”な作品はそれだけでボーナスポイントが入ってしまうくらいにチートなのだ。『H2O』で扱われる「部落差別問題」はどうしようもなく”リアル”だ。ヒロインの「はやみ」の家系はどうもワケありのようで他のクラスメイトから陰惨ないじめを受けている。第一話の冒頭から男二人にはやみがボコボコにされるシーンで始まるのだ。もうその時点で「あぁ、ヤバいアニメを見つけてしまったな...。」と脳内で呟いてしまう。加えて学校の先生までいじめを見て見ぬフリだ。さらに可哀想なことに親友のひなたまで、村の掟を守るためにはやみを避けるようになる。

 

主人公の琢磨は都会から田舎に引っ越してきたため、田舎の実態を知らない。はやみの家系にまつわる問題を通して「閉鎖された空間」の闇を知ることになる。田舎を知らない者にとって、田舎って美しく感じるものなんですよ。そこら中緑が多くて排気ガスも少ない。たまに畑仕事の手伝いをしてのどかに過ごす。そんなイメージを少なからず持つ者は多いと思っている。このアニメは第1話冒頭からヒロインが殴られるシーンでそういった「美しい幻想」を持つ視聴者をドン底の崖に突き落としにかかるわけです。続いてヒロインをクラスみんなでゴキブリ扱いだ。怖い。ガチで怖いぞ、この"負"の団結力。

 

以前、田舎のコミュニティについて『おおかみこども』と『ひぐらし』に触れながら語ったが、正直ここまで「コミュニティ内でのルール」や「村八分」が表現されている作品はまぁ無いだろう。いや確かに『ひぐらし』でも園崎家の「けじめ」だったり、園崎家の次期当主・魅音ばかり優遇し、妹の詩音の扱いはまるで空気であったりと随所にコミュニティの闇が表現されていた。

しかし『H2O』はそんなレベルじゃなかった。村の掟を破ったことで家が焼かれるのだ。もう一度言う、家が焼かれるのだ。つまり「村の思い通りにならない者は必要ない」ってわけだ。さらに『ひぐらし』と違って団結する仲間も居ない。琢磨には皆、仲良く接するのにはやみにはまるで居ないかのように扱う。しかも「当たり前のように」だ。この扱いの落差がデカすぎて恐怖で震えてしまう。「部落差別問題」に真っ向から立ち向かう『H2O』がどんな着地をするのか実に楽しみだ。また全話見たら加筆修正しまする。